勝訴してもお金は返ってこない?

 


民事の金銭債権の請求訴訟において勝訴判決をとっても、裁判所が被告からお金を取り上げて、原告に返済として渡してくれるわけではありません。

判決後、被告が自分から任意に支払わない場合は、再度、原告が裁判所の手続きを踏んで、債務者の財産を差し押さえて強制執行により取立てるしかありません。

しかし、そもそも財産を持っていない、あるいは裁判は数か月、数年かかりますから、その間に財産を隠してしまっている場合は強制執行しても無い袖は振れず不奏功に終わり、債権を満足する額回収することなく終わってしまいます。

 

せっかく裁判をして勝訴したのに、結果お金は返ってこないという事態を回避するにはどうするべきでしょうか。それはあらかじめ財産調査をしておくことです。不動産はもちろん、自動車などの換価できるような動産、あとは債権です。

債権を差押える?とちょっとピンと来ない人もいるかもしれません。例えばメジャーなのが賃料債権の差押え、いわゆる「賃差」です。

地主さんが銀行からお金を借りて収益不動産を買ったが、返済ができなくなった場合、月々の家賃収入:地主さんの有する店子への賃料支払請求債権権があるので、それを銀行が差し押さえ、店子は家賃を銀行に支払うのです。

その他にも強制執行の対象となる差押え可能な債権として

 

・銀行預金(銀行に対して預けているお金を返せといえる預金債権)

・給料(会社に対して給料を支払えといえる請求債権)

・敷金(店子が貸室を退出する際、大家に対して預けている敷金を返せといえる請求債権)

 

など債務者の有する請求債権は何かしらあると思われます。

ここではあげないですが一定の作業をすると、それも差押えできる債権になるんだ、というものもあります。

 

銀行口座については口座番号まで分からなくて大丈夫ですが、どの銀行のどの支店までという情報は必要です。これについては下調べ、ヒアリングするなどが一般的ですが、目ぼしをつけるとすれば

・自宅の最寄り駅の大手銀行や、過去に長く住んでいたところの銀行

・実家の近く銀行

は可能性がありますし

・持家であれば、住宅ローンを借りている銀行(自宅の登記簿謄本を見れば分かります。)

・会社であれば、会社設立時に発起人が資本金を払い込んだ銀行(管轄法務局で設立登記申請書を閲覧すれば分かります。)

は高確率でしょう。

また人によっては数打ちゃあたる戦法や、これはバレたらマズいのではと思う方法で突き止める人もいるようです。

 

差押の実行日:裁判所から銀行への書類発送日については

・個人であれば、給料日直後の月末

・会社であれば、給料支払前の、月末よりちょっと前の日

などあるようです。

 

給料についても被告がどこで働いているかの下調べ、ヒアリングをします。ものの本によっては自宅から尾行、なんて書いてあるものあります。

 

このように民事訴訟で勝訴しても、ない袖は振れませんから、大前提として財産を持っていること、そして財産を持っているならばその財産を自分で調査をし、勝訴後、裁判所の手続きを踏んで、調査により目ぼしをつけておいた財産を差し押さえて、強制執行するのがゴールとなります。

裁判するということは、たとえ勝訴しても原告、被告ともにたいへんな労力を使うものです。





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